2025年11月4日に、ケニア国気象局(Kenya Meteorological Department (KMD))、水・衛生・灌漑省 (Ministry of Water, Sanitation and Irrigation)、ケニア電力公社(Kenya Electricity Generating Company (KenGen))、ケニア・タナリバー郡政府(County Government of Tana River)から各1名の計4名が地球環境データコモンズを訪問しました。
地球環境データコモンズではUNESCO「ケニアにおける洪水への強靭性の強化:Enhancing Flood Resilience in Kenya」プロジェクトとして、データ統合・解析システム(DIAS)上にケニア国タナ川流域を対象に土木研究所 水災害リスクマネジメント国際センターと協働し、洪水予警報システムを含む「知の統合システム」の構築を行います。
その訪日研修の一環として地球環境データコモンズで研修を行いました。
コモンズ側からは、喜連川特別教授、生駒教授、安川准教授、西川特任研究員、玉川特任研究員が参加し、DIASの概要、アーカイブしているリアルタイムデータ、DIAS上で開発している西アフリカ(ニジェール川、ボルタ川)やスリランカ(カル川)における洪水予警報システム、AIを用いたライブカメラ画像解析による洪水検知研究、データの共有システムの紹介を行うとともに、DIASのアプリケーション(CMIP5 解析ツール)を用いた、ケニア国における気候変動による将来降雨の予測とその不確実性の評価に関するハンズオントレーニングを行いました。
参加者はDIASがリアルタイムにアーカイブしているデータの中でも、特に国交省のテレメータやライブカメラの地点数の多さに驚かれ、観測要素や観測インターバル等の質問、また、スリランカでの洪水予警報システムに関しては何時間先まで予測が可能なのか、時間解像度、空間解像度はどの程度か積極的な質疑がありました。CMIP5解析ツールでのハンズオンでは、膨大なデータの処理を視覚的にわかりやすく操作もしやすいと好印象を持たれ、事例で示したシナリオでは不確実性を持ちながらも雨季に雨が多く乾季に雨が少なくなる傾向が示され結果に対して活発な協議がなされました。
参加者は、DIASの情報基盤としてのパワーと多分野へのApplicationの適用例を目の当たりにし、とても感動されMini DIASを自国にも実装したい等の発言もあり、とても意義のある研修となりました。
集合写真や研修時、駒場IIキャンパスの散策の様子を写真に示します。



